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【静岡】浦川 ハイブリッドで活路

2019年5月29日(中日スポーツ紙面より)
興津川、狩野川、気田川、太田川、天竜川、大井川、新大井川、瀬戸朝比奈川、安倍藁科川、仁科川、那賀川、稲生沢川、阿多古川、浦川、河津川、佐久間ダム、水窪川、原野谷川、伊東市松川の漁協電話番号、解禁日、遊漁料(日券・年券)、アユの放流量などの解禁一覧表

 年々、継代を重ねていく鶴田ダム湖産の後継種苗をどうするか。これこそが今のアユ界で喫緊の課題だ。さすがにF10ともなれば、耐病性劣化の不安が募る。そのなか、昨年から注目を集めているのが、ハイブリッドで活路を見いだそうというプロジェクトだ。ハイブリッドとは交雑種苗で、鶴田ダム湖産人工種苗と他の系統の種苗を掛け合わせることによって遺伝的多様性を改善しようというもの。狙いは鶴田の特徴である抜群の追いを残しつつ、冷水病にも強い個体をつくることにある。問題は何を掛け合わせるか。それによって特性の出方が多少変わってくるからだ。

 静岡もハイブリッドを生産している県の一つ。裾野市にある県内水面漁連鮎種苗センターが今年出荷している種苗は3種ある。駿河湾の海産馴致と鶴田ダム湖産F10、そしてハイブリッドだ。このハイブリッドは鶴田ダム湖産F9のメス×駿河湾海産のオス。昨年、浦川漁協(浜松市天竜区)が支流の相川に単独放流し、機能した種苗だ。その評判を聞き、今年は愛知県の振草川漁協(東栄町)も導入した。海産との掛け合わせだけに、耐病性強化にやや重きを置いた配合だろう。

 実は今季、静岡県から届いたハイブリッドの朗報第1号は、この静岡型ではなかった。狩野川漁協(伊豆の国市)の解禁日、田沢橋で竿頭109匹の束釣りをたたき出した種苗があったが、栃木県が生産した栃木型ハイブリッドだったのだ。下野市にある県漁連種苗センターによる配合は、鶴田ダム湖産F9×七色ダム湖産F3。湖産ルーツの七色を掛け合わせているだけに、追い気維持を重視した速攻型ハイブリッドといえそうだ。もちろん耐病性も向上。同センターの加賀豊仁専務は「もともと七色は冷水に強い種苗。このハイブリッドも病気に強いことが実証されています」と胸を張る。

 狩野川漁協は放流量4000キロのうち、栃木県からこのハイブリッドを3000キロ入れている。解禁後も好釣果が続出しており、目が離せない。しかも、伊豆半島の天然遡上は概ね良好。「解禁日、午前8時までに矢熊橋で13匹掛けた人がいたのですが、天然が3匹交じっており、うち2匹はこの時期には珍しい18センチの良型だったそうです。1番上りの魚だったのでしょう。今年は例年とはひと味違う面白い川になりそうです」。こう声を弾ませるのは鈴木哲哉事務長だ。

 浦川漁協は放流量2000キロのうち、海産馴致と県の人工産(鶴田ダム湖産F10、静岡型ハイブリッド)が半々の割合。昨年はハイブリッドを単独放流した相川だが、今年はハイブリッドと海産の2種混合。本流は3種混合放流とした。ここは年券がなく、解禁日~10月15日まで日券2000円、以後は無料開放となっている。

アユ釣りが解禁され、友釣りを楽しむ釣り人ら=静岡市清水区の興津川で
アユ釣りが解禁され、友釣りを楽しむ釣り人ら=静岡市清水区の興津川で

天竜川 遠州灘遡上軒並み不良

 遠州灘に注ぐ河川は遡上が軒並み不良。昨年9月30日に和歌山県田辺市に上陸後、浜松北部を進んだ台風24号が、ちょうど産卵期にあるアユを直撃したからだ。「近年になく悪い遡上」と言うのは天竜川漁協(浜松市天竜区)。天竜川河口産も大不漁で気田川漁協(同区)など毎年河口産を入れている周辺各漁協は放流を断念した。天竜川漁協の解禁前の放流量は自家産の天竜川産人工種苗を7000キロ。今年の継代はF1とF6だ。解禁後の成魚は10万2000匹を放つ。  大井川漁協(島田市)も毎年、大井川河口産を採捕しているが、目標の410キロに届かず305キロにとどまった。このうち110キロは自分の管内に入れ、185キロは新大井川漁協(同市川根町)へ。残りの10キロは県立焼津水産高校に研究用として提供した。大井川漁協の放流量1800キロのうち、河口産以外は人工産となっている。

新大井川 県大会開催で放流700キロ増量

 妙味があるのは新大井川漁協。今年は7月7日に県大会が開催されるため、放流を700キロ増量して3000キロとしたからだ。内訳は河口産185キロのほか海産馴致1815キロ、相模湾海産600キロ、人工産400キロ。昨年から解禁を半月早めたのが好評だった塩郷ダム上流は、今年も6月15日に開ける。

 太田川漁協(森町)は放流量830キロのうち、40キロは太田川ダム上流に入れる。このダム上流が知る人ぞ知る穴場。川幅の狭い渓流のため、渓流竿で狙うのだが、頭上に枝のある所など竿抜けも多いため、8月の盆以降は25センチ級が出るというのだ。短竿による大アユとのやりとりは実にスリリングで、隠れファンがこっそり楽しんでいるという。830キロの内訳は天竜川漁協で生産している天竜川産人工と県産。6月には100キロの成魚放流も予定している。