FCマイページ チケット購入

星野仙一さんの近くには、いつもデューク東郷(ゴルゴ13)がいた

2021/10/18

「ゴルゴ13」「鬼平犯科帳」などの作品で知られる漫画家のさいとうたかお(本名・斉藤隆夫)さんが先月24日、すい臓がんのため亡くなりました。

私も「さいとう作品」の愛読者。悪党を一網打尽にする「鬼平」こと長谷川平蔵や、闇の仕掛人、藤枝梅安の鮮やかな悪人退治に心躍らせたものでした。でも、やはり代表作と言えば、国籍不明のスナイパー、デューク東郷の活躍を描いた「ゴルゴ13」でしょう。

単行本は200巻を超え、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネス世界記録にも認定されています。

星野仙一さんの監督時代、ドラゴンズでは「チーム移動時のマンガ禁止」のお達しが出たことがありました。新幹線や飛行機で移動する際、時間つぶしにと、マンガ本を買い込む選手がいます。

開幕戦へ向け東京に乗り込む中日・星野仙一監督=東京駅で

マンガが悪いというわけではなく、ただでも目立つプロ野球選手。子どもたちの憧れでもある彼らが、待合室や座席でマンガを広げているのは見た目にもどうか…ということでの〝マンガ禁止令〟でした。

「監督はマンガを読まないんですか?」

こう尋ねると、星野さんは「読まん」と即答。続けて、こう言ったものです。

「でも、あれだけは読むな。ゴルゴ13…。時事ネタや社会情勢を描くから、結構、タメになるんや」

ゴルゴ13もマンガですから、もちろんフィクション。それでも主人公のデューク東郷が活躍する舞台背景は、1968年の連載スタート時なら米ソ冷戦。その後も「天安門事件」や「ベルリンの壁崩壊」「米同時多発テロ」など、歴史的大事件が常に関連付けられています。

星野さんが唯一愛読したマンガ「ゴルゴ13」。さいとう先生の死去は、私たち世代にはショッキングで寂しいニュースでしたが、今後も連載が続くというのはせめてもの救いです。

ドラゴンズは与田剛監督に代わり、来季は「ミスタードラゴンズ」立浪和義新監督のもと、強竜再建を目指すことになりそうです。

入団発表で星野監督と握手する立浪和義(右)

新監督に求められるのは、やはりリーグワーストの攻撃力強化。一撃で相手エースを沈めるゴルゴ13のような〝スナイパー〟。ドラゴンズにも現れないものでしょうか…。

館林 誠(たてばやし・まこと)
兵庫県出身。スポーツ記者として主にプロ野球を担当。1991年から2000年まで中日スポーツでドラ番。プロ野球デスク、中日スポーツ報道部長を歴任し、現在は中日ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局長。