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青は進め、赤は止まれ。黄信号はどうする?!あくまでも心構えの話です

2021/8/23

あれは今から30年前、1991年の沖縄キャンプでのことでした。宿舎のラウンジでくつろいでいると、山本昌さんとアイク生原さんの話し声が聞こえてきたのです。

星野監督時代、アイク生原氏はキャンプになるとドジャースのユニホームに身を包み中日の選手たちを教えた

「マサ、信号の青は進め、赤は止まれだろ。じゃあ、黄色はナニ?止まれじゃないよ。黄色は注意して進めばいいんだよ」

当時のマサさんは、まだ25歳の若手投手。大リーグのドジャース会長補佐で、米国留学時代にスクリューボールを教えるなど、マサさんの恩師として知られるアイクさんは臨時コーチとして沖縄入りしていたときのことでした。

オープン戦で完投一番乗りの山本昌。恩師のアイク生原氏と握手

88年は後半だけで5連勝し、リーグ優勝に貢献。翌89年は9勝、90年は初の2桁となる10勝と、確実に白星を積み上げてきたマサさんですが、アイクさんにすれば「お前の力は、まだまだこんなものではない」との思いがあったのでしょう。

私たちが子どもの頃から教えられてきた黄信号は「注意!」。「横断はやめましょう」の表示です。でも、止まってばかりいては、なかなか目標にはたどり着けません。躊躇(ちゅうちょ)すれば、信号はすぐ赤に変わってしまいます。

ローテーションを任される投手になったとはいえ、「ここで守りに入っていては進歩はないよ」というアイクさんなりの助言だったように思います。冒険すればこそ見えてくる新しい世界もある。そこを乗り越えてこそ、つかめる自信もあるはずです。

8月20日は「交通信号設置記念日」。東京の銀座4丁目や京橋など34カ所の交差点に、日本初の青、赤、黄の3色自動式信号機が設置されたのが、1931年のこの日でした。

今年のペナントレースも残り50試合を切りました。「前に進めるチャンスを逃していなかったか?」「守りに入っていなかったか?」。ここまでの戦いを振り返り、自分に問いかけてみるには良い機会かもしれません。

でも良い子の皆さん、ドライバーの皆さんは交通安全のため、黄信号は止まるようにしてくださいね。これはあくまで、心構えの話ですから。

館林 誠(たてばやし・まこと)
兵庫県出身。スポーツ記者として主にプロ野球を担当。1991年から2000年まで中日スポーツでドラ番。プロ野球デスク、中日スポーツ報道部長を歴任し、現在は中日ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局長。