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闘将付ドライバーの天気予報は、いつも「晴れのち曇り、時々雨」

2021/6/14

にわかに雲行きが怪しくなり、やがて雨。「出かけるときは晴れていたのに…」。こんな恨み言が多くなるのが梅雨シーズンです。

本拠地がドーム球場となって以降、雨天中止の心配はなくなりましたが、ナゴヤ球場時代はシトシト降る雨に、選手も番記者たちも試合前から気をもんだものでした。

この梅雨期、星野監督の朝一番の会話も「きょうの天気はどうや?」から。まず、こう聞かれるのは、車で星野さんを送り迎えする監督付広報。1987年からの星野監督の第一次政権時代、コーチ兼任で、この大役を務めていたのが早川実さんでした。

長年、星野さんを支えた早川さん(左端)。スカウト時代は荒木選手(現内野守備走塁コーチ)を担当した

毎日、天気予報をチェックしているわけではありません。かといって「分かりません」はNG。そこで、早川さんが考えついたのが全天候型の名回答です。

朝、晴れていれば「晴れのち曇り、時々雨。ところによって、強く降ることもあるそうです」といった具合。これなら、どう天候が変わろうが外すことはありません。

早川さんは26歳でプロ入りした星野さんより2つ年下の投手。1年目の1976年4月10日、開幕5戦目の大洋戦(川崎)でプロ初登板初勝利を飾っています。1点ビハインドの8回に登板。1点を失ったものの、直後の9回に味方が4点を奪い逆転。ラッキーな初勝利が転がり込んできたものでした。

さらに翌11日の大洋戦も1点をリードされた8回途中からマウンドへ。2つのアウトを取ってベンチに戻ると、今度は味方が9回に一挙6点。2日でプロ2勝を稼いだ珍記録の持ち主です。

投手としての運を2日間で使い果たしたのか、現役通算の勝ち星はこの2勝止まり。それでも度胸の良さ、頭の回転の速さ、人当たりの柔らかさ…。そんな才覚を買われコーチ、スカウトなどグラウンド内外で星野さんを長く支えました。

でもね早川さん、星野さんにはバレていましたよ。「アイツに天気聞いたら、いつも晴れのち曇り、時々雨や」と笑っていましたから。

東京六大学の有力選手を見つめる早川さん=神宮球場で

闘将の送り迎えを担当したドライバーたちの話はほかにも…。ちょっと長くなりそうなので、次は来週の『閑話球題』(6月21日更新予定)の方で、紹介させてもらいます。

館林 誠(たてばやし・まこと)
兵庫県出身。スポーツ記者として主にプロ野球を担当。1991年から2000年まで中日スポーツでドラ番。プロ野球デスク、中日スポーツ報道部長を歴任し、現在は中日ドラゴンズ公式ファンクラブ事務局長。